電車温泉日帰り旅行記

（→玉川温泉からの続き）
甲府盆地の西側に位置する甲斐市に来ている西さんと北さん、「玉川温泉」の次は「山口温泉」へと向かいます。JRで竜王駅に行き、そこからてくてく歩いて山口温泉に向かいますが…。

「暑いなあ・・・。けっこう歩いたけど、山口温泉、まだ遠い？」

「もう近いはずだけど・・・あ、セブンイレブンあった。そこで右に入ってすぐだと思うよ。」

「喉が渇いたんで、そこのセブンイレブンで何か冷たいもの買ってこ。水分補給。」

コンビニで炭酸飲料を買って飲みつつ、田畑と住宅の間の道を山口温泉へと向かう西さんと北さん。

「あ、山口温泉。ここかあ～。」

「ここも、わかりづらいところにあるよな。このへんの温泉って、旅行者に見つからないように作ってるのか？」

「常連さんが多いんだな。少なくとも、旅行客向けでないことは確かだよね。」

「ま、観光客料金の高い値段になるよりはマシか。」

山口温泉の建物入口の前まで来た二人。

「ん、お子様のご入浴は午後6時から…日中は大人の方限定、て書いてるな。」

「え、子供は夜はダメなんじゃないんだ？」

「いや逆。6時までがダメで6時以降OKになるみたい。」

「ふーん、よくわからんシステムだな。ともかく、今はまだ6時前だから、子供はいないってことか。」

山口温泉は、脱衣所の横が内湯、脱衣所の奥が露天風呂です。内湯と露天風呂との行き来は、いったん脱衣所を通るつくり。まずは内湯のほうへと向かう西さんと北さん。

「ほお、なかなかいい風情だよ。」

「岩風呂か、いいじゃないですか。…ん？なんか、お湯が、場所によって白く濁っているような…。」

「おおっ！　泡つきで濁ってるんだ！　これはなかなか、盛大な泡つきだよ！」

「あ、ほんとー！　この泡の量はスゴイじゃん！」

「湯船の手前の方が泡が多いね・・・。お湯の流れ的に、新しいお湯がこっち側にくるみたい。」

「白く濁って見える部分が新鮮なお湯なんだな。なるほど、わかりやすいぞ。」

「お湯は、ちょっとヌルヌル感があるかな。いい温泉じゃないですか～、ここ。」

「こんないい温泉が街なかにフツーにあるんだから、甲府っていいとこだよなあ。」

「湯口にコップがあるね。要するに、ここのお湯、飲めるみたい。飲泉可の温泉は、まず間違いはないね。」

「炭酸入りのお湯が飲み放題か…。さっきコンビニで炭酸飲料買わないで、ここで飲めばよかったかな？」

「空いたペットボトルに、ここのお湯を入れてったら？」

「あ、それ、いいかも。」

次は露天風呂へと出た西さんと北さん。

「湯船の底が緑色してるな。このあたりのお湯って、緑色になる成分とか入っているのかな？」

「うん、そうかもね。…あれ？　ちょっとお湯の汚れがあるかも…。やっぱりお湯の新鮮さで言えば、内湯の湯口あたりがベストかな？」

「いやあやっぱり露天風呂はいいよ！　日差しがあって、外の空気で入るぬるめのお湯は最高だよ！」

「ま、確かに、ここはゆっくり長湯しないともったいない温泉だよねえ。」

というわけで西さん北さん、温度ぬるめの極上泡つき温泉をゆっくり堪能したのでした。

（2015年 5月）