電車温泉日帰り旅行記

今日は、西さんオススメの温泉へ日帰りに行くことにした二人。ＪＲで博多から15分ほどの二日市駅から、てくてく歩いて目的の博多湯へと向かう西さんと北さんでした。

「あんまり温泉がありそうな雰囲気じゃないなあ。」

「近くまで来ると温泉ぽくなるよ。ほれ、街路樹が柳になってきたから、もうすぐだよ。…さあ、ついた。道路をはさんで向かいにも温泉があるけど、オススメはこっちの博多湯だね。」

「おっ、なかなか立派な建物じゃん。…中は思ったよりきれいだな…。」

受付

博多湯は1860年の創業で、当時の趣きを残す木造3階建ての建物です。内装は2004年にリニューアルして、明るくきれいな印象になりました。その日は日曜日だったせいか、ちょっと混んでいて、地元のおじさんや外回り中の営業マン(？)が順番待ちをしているようです。

「10分くらい待ってくださいってさ。」

「そうなの？ ま、急いでるわけじゃないし、いいか～。」

ほどなくして二人の順番がきました。浴槽へは半地下のようなところへ下りていきます。

浴槽（入口から奥）

「この、ほのかな硫黄のにおいがいいねえ。なかなか風情があるだろ？」

「なるほど。小ぢんまりとした感じだな。飾り気がなくて、旅行者向けというより、地元の温泉って感じかな。」

「でもお湯自体は、けっこうぜいたくだよ。100%源泉かけ流しだからね。」

浴槽（奥から入口）

博多湯では、地下260ｍから汲み上げる源泉を空気に触れさせることなく、加水・加温も一切しないで、そのまま浴槽へかけ流しています。

「要するに、お湯が新鮮ってわけだ。」

「へえ～。…ま、ともかく、いい湯だなってことだよな。…あ、シャワーあいた。」

西さんと北さん、博多湯のお湯をたっぷり堪能したようで、風呂から上がってきました。

「すぐ外に出ると湯冷めしそうだな。２階に和室があるから、休んでいけるよ。」

「よし、そこ行こ！」

2階の広間

２階には休憩ができる広間があります。しばらく休んでいこうと決めた西さんと北さん、座るなりさっそく缶ビールを開けたのでした。

（2013年 1月）